今回はネジの締め付けトルクに焦点を当てて少し話をしていきたいと思います。
整備をする人であればあるほどその重要性は知っているかと思います。
もちろん、知らないよという人にも整備をする上で是非知っておいて欲しいことです。
オイル交換くらいしかしないよという人もね。
ここまでは前置き。
そもそも締め付けトルクって何?という方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単に説明します。
締め付けトルク=ネジを締め付ける時に回してかける力
つまり、ネジをどれくらいの力で締めるかという事
難しく書こうと思うといくらでも難しくなるのでここでは書きませんw
ではネジをどれくらいの力で締めればいいのか?
そもそもネジの締め具合は、緩ければネジが緩むし、締め過ぎれば破損します。
では適正値は?
車種やネジの種類によってこれくらいの力で締めてくださいという規定が決まってます。
同じ大きさのネジでも、ネジの材質や締め付ける相手の材質の組み合わせ等によってトルクは違うのです。締め付け方法が決まっているネジもあります。
奥が深いですよね。
一般的に車両ごとのサービスマニュアルに締め付けトルクや締め付け方は載っていますので、自分の車やバイクのサービスマニュアルは持っておくのがおすすめです。
ではどうやって締め付けたトルクがわかるのか?
トルクレンチというものを使います。
こういうやつ↓
この写真のトルクレンチはデジタルトルクレンチというもので、締め付けたいトルクを設定することができます。
締めつけていき、設定したトルクに達するとカチッと止まるとともに音や光で教えてくれます。
こちらはアナログのプリセット式トルクレンチ
デジタルと同じく、トルクを設定することができます。
設定したトルクに達すると、カチッと音がして手応えで教えてくれます。
ほかにダイヤル式や単能式というものもありますが、通常はプリセット式があれば充分だと思います。
ちなみにトルクレンチは大きさなどによって設定出来るトルクの範囲が決まっています。
自分が必要とするトルクの範囲をカバーできるトルクレンチを使いましょう。
私は普段必要なトルクに応じて3本から4本使い分けていますが、仕事で使わない限りそんなにいりませんw
オイル交換くらいしか使わないという人は10〜50N・Mくらいの範囲を設定できるトルクレンチを1本持っていればかなり便利です。
参考までに
もちろん工具メーカーにこだわる人は、好きなメーカーを選ぶのも良いと思います。
トルクレンチの注意点
・必ず締める時だけ使いましょう。
緩める方向にも回せますが、いつか壊れます。
・水で濡らさない事
トルクレンチは精密機器です。中が錆びるとトルクの測定が狂う可能性があります。
・使い終わったらトルクを最小値に戻す事
プリセット式だと中にコイルスプリングが入っていて、トルクの設定をすると負荷がかかるようになっているため、トルクを設定したままで置いておくとトルクが狂う可能性があります。
・力をかけるところはグリップの真ん中付近
トルクは力をかける距離に応じて変化するので、トルクレンチを握る場所によってトルク設定が同じでも微妙にかかるトルクが変わってしまいます。
グリップの真ん中あたりを握って力をかけるのがベスト
最後に
ネジを締め付ける力は非常に重要です。
緩いとネジは脱落しますし、締めすぎるとネジが伸びてしまったら折れます。
特にネジの折れ込みを修正するのは非常に手間です。
どれくらい力をかけるとネジは折れるのか?ということを実験で体験して体で覚えておくのもおすすめです。
もちろん車体についてるネジでやったらダメですよ?w
自分の命を預ける物なので、ちょっと高くてもトルクレンチを使って適正なトルク管理をして欲しいです。