私たち整備士は毎日工具を使っています。
しかし、普通の人はたまにしか使う機会が無いと思います。
その為使い方はなんとなくで工具を使っているという方は多いのではないでしょうか?
工具は便利なものですが、使い方を間違えると部品を傷つけたりケガをする恐れもあります。
そこで、安全な工具の使い方を何回かに分けて書いていこうと思います。
今回はコンビネーションレンチとスパナ
皆さんどちらも見たことあるかと思います。
用途はどちらもボルトやナットを回して締めたり緩めたりするものです。
写真上側のものがコンビネーションレンチと言います。片目片口スパナと言ったりもします。
特徴は見た目の通り片側が空いていて、もう片側は輪っかになって口が閉じています。
一般的に写真の下にある両方とも口が空いているものがスパナと言います。オープンエンドレンチと言ったりもします。
特徴は口が空いていて、口の向きがまっすぐではなく少し傾いています。
どっちもレンチとかスパナと呼べちゃうのでややこしいですよねw
簡単にいうと、口が空いてるのがスパナ、口が閉じているのがレンチと覚えておくと楽です。
さて、レンチ部とスパナ部、それぞれの使い分けを見ていきます。
レンチ
見ての通り口が閉じているため、口全体でボルトやナットに噛ませることが出来るのでしっかり力をかけることが出来ます。
固いナットを緩めたり、本締めにも使用できます。
使い所
ボルトやナットの周りに充分にスペースがあり、レンチをかけて回せる所ならどこでも使えます。
☆ポイント
・ボルト、ナットに対して口全体が平行にかかるように奥まで噛ますこと。かかりが浅かったり斜めにかかるとボルトやナットがナメます。
・手の腹でしっかり握りましょう
・必ずボルトやナットに合うサイズのものを使うこと
スパナ
見ての通り口が空いてるので、ボルトやナットを回すときに力が加わる部分が上下の2面しかありません。
そのため強いトルクのものを緩めたり、本締めには向きません。
使い所
レンチがかけられない狭いところや、レンチを回すスペースが無い時、ボルトやナット、センサーなどがレンチをかけれないような形状の時に主に使用します。
特に狭いところで役に立つのが、スパナの形状です。口の部分が少し傾いてますよね?
この形のおかげで、ナットを回す時に周りが狭くても裏表を使い分けることでスパナの口の角度が変わり、うまくナットにかけることが出来ます。
☆ポイント
・ナットに対してしっかり奥までスパナを噛ましましょう
・ナットに対して真っ直ぐスパナを噛ますこと。斜めにかけない
・必ずボルトやナットに合うサイズのものを使うこと
・使うときはしっかり握ること。手の腹で押すイメージ
ちなみに
スパナで力をかけすぎると、ボルトやナットが破損するのはもちろん、スパナも壊れます。
他にラチェットという送り機能が付いたコンビネーションレンチ(通称板ラチェ)もあります。非常に便利なので、1セット持っておくと便利です。首の角度が変えられものもありますが、その場合は首の角度を固定するロック機構が付いたものがおすすめです。
*ただし、高トルクをかけるとラチェット部分が壊れるので注意
ちなみに、送り機能が付いたスパナもありますが、早回し用なので締まっているボルトやナットには使えません。
まとめ
基本的な考え方として、レンチが使える部分はスパナではなくレンチを優先して使うのが無難です。
スパナは薄いものがあるので、狭いところ、奥まったもころではスパナが使いやすいことが多いです。
ボルトやナットのサイズは、基本ミリサイズですが、ハーレーなど外国車はインチサイズを使用していることがあります。車種やボルトやナットに合わせて工具のサイズを選びましょう。
以上ざっとまとめてみましたが、いかんせん文書だと説明するのが難しいので、いずれ動画にしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます😊